ここでは何が起こっているのでしょうか
ダビデは今、イスラエルの王位と、神の神殿を建てるという責任を、息子ソロモンに引き継ごうとしています。ダビデがこの時のために備えてきたのは、その息子が永遠に治めると神が約束してくださった時からのことでした(歴代誌Ⅰ 17:11〜12)。ダビデが勝ち取った戦い、築いた交易関係、任命した行政の役人——そのすべては、経験の浅い息子ソロモンが神殿を建てるために必要なものをすべて手にできるようにするためだったのです(歴代誌Ⅰ 22:2〜5)。
ダビデは公の式典を開き、国の指導者たちを召集します。そして、自分が生涯をかけて備えてきた神殿を建てるようにと、ソロモンに命じます(歴代誌Ⅰ 22:6〜7)。ダビデは数々の血なまぐさい戦いを通してイスラエルに平和をもたらしましたが、そのことによって、自らは神の神殿を建てる資格を失いました(歴代誌Ⅰ 22:8)。ですから、ダビデにできないことをソロモンが行わなければならないのです(歴代誌Ⅰ 22:9〜10)。王座に就こうとするソロモンに、ダビデは神の律法を聞き、神の神殿を建てるようにと熱心に勧めます(歴代誌Ⅰ 22:11〜16)。そして国の指導者たちにも、息子がこの務めを果たせるよう、力を尽くして助けるように命じるのです(歴代誌Ⅰ 22:17〜19)。
歴代誌の記者は、ダビデが息子に引き継いだ巨大な統治機構と、それが神への賛美と神が与えてくださる導きを中心に据えていたことを、まるごと五つの章を費やして詳しく描いています。神殿の組織構造を概説し(歴代誌Ⅰ 23:1〜3)、イスラエルの国防を担う軍の交替制を細かく記し(歴代誌Ⅰ 27:1〜15)、ソロモンの王室内閣として機能する二十四人の部族の長と国の指導者たちの名を挙げています(歴代誌Ⅰ 27:16〜34)。神殿で働くレビ人の務めについては、イスラエルの統治機構の他のどの働きよりも多くの紙面が割かれています。それは、神殿とその運営が、部族・軍事・国政のどの指導的地位よりも重要だったからです。そしてこの最も重要な機関の中心に、記者は神殿の最も重要な働きの一つ——預言的な歌——を担う人々の名を記します。イスラエルの統治の中心にいるのは、歌を通してイスラエルの指導者たちに神の導きを差し出す音楽家たちなのです(歴代誌Ⅰ 25:1)。ダビデが息子に引き継いだ巨大な統治機構は、神への賛美と、神が与えてくださる導きを中心に据えていました。
福音はどこにあるのでしょうか
ダビデは、神の神殿を建てるために必要なすべてをソロモンに手渡します。ダビデがこの計画のために集めた資材についての言及もありますが、これらの章の焦点はそこにはありません(歴代誌Ⅰ 22:2〜4、14〜16)。金や銀や木材よりもはるかに大切なのは、神の神殿を建て、そこで仕えるためにダビデが任命した祭司たちです。しかも、ダビデが任命した祭司の中で最も中心に置かれているのは、神に代わって語り、歌う者たちでした(歴代誌Ⅰ 25:1)。石や建物よりも、神の祭司たちと神の民こそが神殿の最も本質的な部分である——記者はそのことを私たちに分かってほしいと願っているのです。
同じように、ダビデの子であるイエスも、私たちがご自身の新しい神殿の一部となるための備えをしてくださいました。ダビデと同じく、イエスも血を流す戦いを通して平和をもたらされました。十字架の上で、イエスは私たちの最大の敵——罪とサタン——と戦い、死からよみがえることによって、これを打ち破ってくださったのです。イエスは私たちの心を、互いに平和であり、また永遠に神との平和にあずかるものとして整えてくださいました(ローマ人への手紙 5:1)。そして、ダビデが経験の浅いソロモンに神殿建設に必要なすべてを与えたように、イエスも聖霊を通して、新しい神殿を建てるために必要なすべてを私たちに与えてくださっています。神の民が建て上げられ、励まされるために、運営の働き、教える働き、さらには歌う働きといった私たちの良いわざを、イエスはあらかじめ備えてくださったのです(コリント人への手紙Ⅰ 12:7〜11)。イエスは、地上に新しい神殿と王国を建てるみわざに私たちが加わるために、必要なものをすべて余すところなく整えてくださいました。
ご自分の目で確かめてみましょう
聖霊が目を開いてくださり、ご自分の民を導かれる神を見ることができるよう祈ります。そして、神がいつも私たちを導いてくださるために神殿を備えてくださる方として、イエスを仰ぐことができますように。

