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歴代誌Ⅰ 1:1〜9:34

中心に置かれた祭司職

歴代誌Ⅰ 1:1〜9:34には、イエスこそ究極の「歌う祭司・預言者」であり、その生涯と復活は、神が来てくださり、ご自分を信頼する人の中心に住んでくださるという約束であることが示されています。

ここで何が起こっているのでしょうか

歴代誌は、追放の地から帰還し、故郷を再建しようとしていたイスラエルの人々に向けて書かれました。著者である歴代誌記者は、新しい世代の国づくりの担い手たちが先祖たちの誠実さに倣い、同じ過ちを繰り返さないようにと願いつつ、イスラエルの歴史を語り直します。ところが、その始まりは九章にもわたる系図なのです。奇妙な選択に思えるかもしれませんが、歴代誌記者が並べる名前の一覧には明確なパターンがあり、イスラエルの過去から大切な教訓を教えてくれます。 

歴代誌記者が新しい世代の国づくりの担い手たちに示したかったのは、イスラエルの指導者たちが祭司職を優先し、国の中心に据えるとき、イスラエルは栄えるということでした。この点を伝えるために、記者は系図をヘブライ語の文学によく用いられる「キアスムス(交差配列)」という構造に整えています。それは、いわば文学の山であり、最も重要な教訓が頂上に置かれているのです。山のふもとに当たる部分は、イスラエルの歴史の始まりと終わりに言及します。1章は王国が形づくられる前の神の民の歴史を記し、9章はイスラエルの王国がバビロンによって滅ぼされた後の神の民の名を記します。山の中腹に当たる部分は、イスラエルの王たちを指しています。2章と3章はユダ族から出た王家の子孫を記し、それに対応する8章はベニヤミンの王家の系統を記します。頂上に近いところ、4章と5章、そしてそれに対応する7章では、王家ではない諸部族の系統が詳しく述べられます。そして山の頂上である6章で、記者はすべての祭司の先祖であるレビの家系を詳細に描いているのです。こうして冒頭の諸章の構造そのものによって、イスラエルの祭司職が国の運命を決めることが示されています。

さらに具体的に言えば、神の国が興るか衰えるかは、神の声にどれだけよく耳を傾けるかにかかっています。祭司職の中心にいたのは、ある特別な種類の祭司――神殿の楽人と歌い手たちでした(歴代誌Ⅰ 6:31〜46)。彼らは単に歌を歌っていたのではありません。イスラエルの預言者だったのです(歴代誌Ⅰ 25:1)。彼らは神に代わって王たちに語り、戦い、国の方針、政治の運営といった事柄について、イスラエルの指導者たちに神からの導きを与えました。歴代誌記者は、祭司である歌い手と楽人たちを、イスラエルの国の歴史の中心に据えたのです。そうして彼は、新しい世代の国づくりの担い手たちに、イスラエルの盛衰は王たちが神の声に耳を傾けるか、それとも無視するかにかかっていると教えています。 

福音はどこにあるのでしょうか

歴代誌記者は、イスラエルの新しい指導者たちに自らの歴史から学び、その文学的な形にならって、神が民を導かれる制度を文字どおり国の中心に置き直すことを求めています。神の民が興るか衰えるかは、どれだけ神の導きを生活の中心に置くかによって決まるのです。イスラエルと同じように、私たちもまた、神の導きを生活の中心に据える必要があります。

ありがたいことに、私たちは神の導きを探し求める必要がありません。その導きは、イエスにおいて私たちのところへ来てくださったからです。使徒ヨハネは、イエスこそ肉となった神のことば、神の導きだと語ります(ヨハネの福音書 1:1〜14)。歴代誌の言い方をすれば、イエスは私たちの究極の「歌う祭司・預言者」なのです。そしてその生涯と復活は、神が私たちのもとに来られ、ご自身を信頼する者の中心に住んでくださることを預言しています。神に近づくために国を再建する必要はありません。成功を手にするために古代の祭司職を復興させる必要もありません。神のことばと救いは、すでに私たちのところに来ているのです。しかもイエスは、ご自身を私たちの生活の中心に置いてくださると申し出ておられます。それは、決して衰えることのない復活の新しい御国が興るのを、私たちが実際に味わうためなのです。 

ご自身の目で確かめてみましょう

聖霊が目を開いてくださり、語りかけ、導きを与えてくださる神を見ることができますようにと祈ります。そして、ご自分の民のために永遠に続く復活の御国を確かなものとしてくださる「歌う祭司」イエスを、はっきりと仰ぎ見ることができますように。 

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